四人席のうち徹と桃香が並んで座っていて。 私は慌てて横の椅子の上に置いていた鞄と紙袋を足元に置くと、彰吾はドカッと腰を下ろした。 桃香は明らかに動揺していて。 「長年の付き合いだけあって、菜月の性格をよく把握してるよな」 「……どういう事?」 「俺とは違って菜月には心理作戦ってとこか?」 私の目の前で言葉を交わす彰吾と桃香。 その口調からは6年も付き合っていた恋人同士の雰囲気は微塵も感じられない。