桃香の問いかけに反論なんて出来なくて。 全てが的を得ているだけに、私は俯くしか出来なくて。 拳を握りしめる。 「私も徹も菜月を責めてる訳じゃないの」 弾かれたように顔を上げた私に桃香は困ったような顔をしていて。 横にいる徹は貝のように口を閉ざしたまま。 「半年前、ちょうど菜月が徹に結婚の話をする少し前に……私達は想いを打ち明け合ったの」 それがどういう意味なのか。 私がプロポーズした時、苦笑していた徹の顔。 苦笑じゃなく…… 『焦った』