「俺、今まで菜月に隠してきた事があったんだ」



食べるものを粗方お腹の中に入れた時。


徹の言葉に持っていたフォークを置いた。



徹が今まで私に遠慮して言えなかった事。


それを今から話そうとしてくれていて。


私は徹の婚約者として。


これから話を聞かなければならない。



軽く頷いたのを見て、私が聞く体制を取ったと受け取ったのだろう。


水を口に含んだ後、言葉を続けた。



「俺は、菜月の中に別の人がいるって思ってたんだ」


「別の……人?」



頭の中で微かに鳴り響くのは……



警告音……