いつか分からない。


それでも彰吾を待ちたいと思ったのは本心で。



何年かかっても。



一瞬思い浮かんだ考えは否定した。


それは彰吾が望んでいない事。


それを私が選択すると、今度は彰吾が苦しんでしまう。



それなら私が待つから。



――――待ってるから。



「菜月……俺、ずっとお前が好きだったんだ」


「……私も好き」


「待っててくれとは言わない。だけどもし俺が日本に戻って来て……」



少しのためらいの後……


小さい声で告げられた彰吾の言葉。



私は首筋に埋めた顔を何度も動かした。