「……ねぇ、彰吾」 それは彰吾の話を聞いていて感じた。 確かに、話はすべて今まであったことばかりで。 だけど、彰吾はすべて『過去形』で話している。 どこかでひっかかる。 違和感が胸につかえる。 「菜月にとって今必要な事は『時間』だと思う。受け入れられない現実目の当たりにして辛いだろうけど」 「彰吾」 「桃香と徹がああいうことになった責任の一旦は俺にもあるから」 「彰吾!」 思わず左肩を掴んでいた。 その肩が少し震えていて。 彰吾は…… 何を隠してる? 何を?