『ターニングポイント』



彰吾はそれがまさに今日だったと呟いた。



――――変わり目



6年前に間違えてしまった選択肢。


別々に歩んでいた私達それぞれの道が再び重なった。


今度こそ、間違えないように。


今度こそ、自分の気持ちを正直に伝えよう。


そして、これから突き付けられる現実に耐えきれないだろう私を助けようと。



「俺は……今日の事を徹から聞いて、自分の意思であそこにいた。菜月はパンフレット見て嬉しそうにしてて」



待ち合わせの30分前に到着した私は、徹を待つ間ずっとドレスのパンフレットを眺めていた。


その姿を彰吾に見られてたなんて知らなくて。