まだ4人が友達だった頃。 互いがそれぞれを意識していなかったあの頃。 どんな話からそう呟いたのは覚えてない。 だけど言葉は覚えている。 4人で飲んでいた席で彰吾が呟いた台詞。 『もし……大切な人が窮地に立たされてたら、俺は必ず助けたい』 彰吾のその言葉に自分に対して言われたかのような錯覚におちいった。 思わず目を逸らしたその視界に同じように感じたらしい元親友の顔が映っていた。 今日、あのカフェでその言葉のカケラだけを思い出していた……