あの時、もし自分の気持ちに嘘をつかなければ。


今日まで傷つかなかった?



違う。


あの時徹と桃香はすでに好きだと私達に打ち明けていて。



だから……



私達は互いの想いにふたをする事を選んだ。


自分達の想いより、親友の幸せを願ったんだ。



――――互いに……



想いを通じ合わせていれば、6年前傷ついたのはあの2人。



「卒業式……俺はチャンスだと思ってた。4人で過ごす事がなくなれば自分の想いを伝えても誰も傷つかないだろうって考えて」


「えっ?」


「桃香から告られて……俺は明日まで待って欲しいって言ったんだ」



――――えっ……?