月は、鮮やかに辺りに微笑みかけその明かりが、部屋を照らし出す。





「―――騙されたっ!」




と、あたしの叫び声が、部屋いっぱいに響く。




当のあたしは始終こんな感じ。




「嘘は言っておりません。
だから、あれだけ忠告致しましたのに」




そして、その本人はケロッとした表情であたしの前に立つ。





「契約の仕方があんなのなんて聞いてないっ!」




あたしのファーストキスを返せっ!




「とても可愛らしかったですよ」



と、機嫌の悪いあたしに対しキラキラと表情を輝かせながら笑顔を向けてくる。





……うん、よーくわかった。

確かに腹黒だ。真っ黒だ。




うぐぐ、と思っていると狐燈が、あたしに対して跪いてきた。





「仮契約とは言え、契約を交わした以上…

私は、この先貴方を主とみなし、
お護りすることを誓います」




そう言って、あたしの手の甲へキスを落とした。












誰かこの狐の暴走を止めてください。