「確かに、他の人間とは何か違うモノを持っているか……面白い。
また会おうじゃないか、人間。

今度は二人でゆっくり、な…」



と、一人で突っ走り、跡形もなく消えていった。



…ほんと、なんだったんだ…あの人…

二度と会いたくないんだけど…


しかも二人きりとか、絶対にいやだ…っ!





「…千秋さま…っ」



名前を呼ばれハッ、とした時には狐燈の姿がもう、すぐ近くにあって。




「申し訳ありません…っ、
私の責任です。死んでお詫びを」


「いやいやいや…っ!まてまて!
別にあんたのせいじゃないから!」


「ですが…」


「いいよ。特に何もなかったし。

…それに、あたしは信じてるから。
これでも、ちゃんと見分けはつくの」




そう言ってから、あたしが笑うとふいにギュッ、と抱きしめられた。



「……貴方さまに助けられたあの日から、ここが私の居場所なのです」




あわわ、と最初こそ慌てていたあたしだけど、その言葉が向けられた瞬間、熱く、熱をもってあたしの胸に力強く響いた。