晶ってバカ

ほんとバカ

だけどバカなとこが好き


「助かった~」


「もう、夜弥くんにお礼言いなよ?晶の代わりに配置と役割まで決めておいてくれてたんだから」


「わかってるわかってる。明日ちゃんと召集かけてそんとき一緒に伝えるから」


「はぁ。でも、こういうときだけ気が利くよね、夜弥くんって」


「だよな~」


でも、夜弥くんが体育委員会副委員長でよかった

何だかんだで真面目でしっかりしてるし


「それにしても高校最後の体育祭か…。なんか寂しいな」


「あ、それわかる」


これで最後ってなると、なーんか名残惜しくなる


「リレー…。優勝したらなんかご褒美でもくれない?」


「ご褒美ぃ…?」


「そ、ご褒美。若菜から、俺に」


「………。いいけど…じゃあ、あたしにも頂戴よ。ご褒美」


「何がいいの?」


「晶こそ何がいいの?」


「………俺は……」




…あたしは、キスがいい

キスが欲しい




「若菜が考えて」


「……え…?」


「だから、若菜が考えて。若菜から貰えるもんなら何でもいい」


「……じゃあ、お楽しみで…」


「了解。楽しみにしてる」






晶の笑顔で溶けそうになる


こんなんじゃ、キスなんて夢のまた夢