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「晶!ダッシュでやんなきゃ日が暮れる!もっと速く!」


「わーってるよ!」


ガガガガ…とトンボが土を削る音を出す


はぁ、俺ってバカ

頭良いはずなのに基本バカ


これはきっと親父の遺伝子だ



「ったく、晶は本当に由紀さんにそっくりだね!」


「なんで母さん!?親父じゃね!?」


「えー、でもやっぱり由紀さんだと思うなー」


……結局、あの2人の子供ってことだな



「はぁ、若菜が羨ましいよ…」


「何それ!皮肉?」


「ううん、褒め言葉」


ふーん、と言って若菜は俺に背を向けた




「あ、グラウンド整備ってあと何かある!?」


「ない、トンボ掛けだけ」


「よしっ、じゃあペースアップ!あと10分で終わらせる!」


「無茶苦茶だろ!」


「泣き言を言わない!!自業自得なんだから!!」


「う~、仕方ねぇ…」


まだトンボ掛けが終わっていない、でこぼことしたグラウンドを俺は10分間走り回った