『晶のほうがかっこよくて優しいんだから!!』


飲み物を買って帰ってくると、若菜のよく通る高めの声が耳に入った
一瞬のことで頭が真っ白になり、指先に力が入らなかった


晶のほうが…
『カッコイイ』…?
『優しい』…?


マジで…!?


ガコンと音をたててペットボトルが落ちた

その音で若菜が振り返った


だが今、嬉しさに浸っている場合ではないと思った

なぜなら若菜の前に見るからにあったま悪そうな男が二人いたからだ


…このチャラ男が!!


若菜をナンパしようとしやがって…



めちゃくちゃムカつく


つーか親父達なんのために居るんだよ

バレバレの尾行しやがって

子供のピンチに何もなしか!?




ったく…
仕方ねぇな…