「あのね、この人は俺のサッカー部の先輩」
「あのね、啓は俺のサッカー部の後輩」

二人の声が、カレーを食べながら重なった。

どおりで、入学してから『レオ先輩』の名前を聞くわけだ。
だってサッカー部の先輩だし。
啓の憧れの人みたいだし。
ただそれが、篁だったってだけだ。
実際おかしいとこなんて、ひとつも無い。

「んでレオ先輩は、たまたま…だろうけど、いつも薊がいないときに遊びに来てたんだ」

だから三つ子と親しかったのね…

何この偶然の連鎖。

「まーほにはく、まは遊ひに来ふほ」
(まーとにかく、また遊びに来るよ)

篁はカレーを頬張りながら、にこやかにそう言った。

一気に何かが通り過ぎたような一日だった。
啓と篁と三つ子の関係が、明らかになった日。

もう特別は、すぐそこに近付いていた。