普通が好き。


「いえいえ、良かったです。役に立てて」

「いつも曉のドジをカバーすんのは、あざ…って、お前怪我してんじゃねーか」

私の指先が切れていることに気付かれてしまったようだ。

「えぇっ?!」

「痛そ…俺、絆創膏持って来てやっから」

「あ……すいません、弥弌くん…」

気付かれないようにしたかったのに。
しくった……

ガバッ

「…?!」

突然手首を握られて、私はびっくりしてしまう。

「ぼっ僕のせいで…ごめんね!!薊ちゃん!」

パクッ

「え…ちょ…松坂さん…?」

突然、松坂さんが私の指先をくわえた。

「あの…」

正直、どうすればいいかわからない…
血って…あんまり美味しくないのに…自分からなんて。
ていうか、離してほしい。
…とは言えない…

理由は、あまりにも必死だから。