そんなことを考えてると、鬼頭の顔がすっと俺の胸元にきた。 「な……、なんだよっ」 鬼頭は俺のシャツの襟を握ると、鼻をひくつかせた。 「消毒液くさい」 ―――!!! 「わ!悪かったな!!一日病院にいりゃそうなるっ」 「前はいい香りがしたのに。香水やめたの?」 「……なくなったから使ってないだけだ」 俺は鬼頭から顔を逸らした。 「そ」 鬼頭はそっけなく言うと、襟に込めた力を強めた。 「先生ってよく見たらかっこいいね」 ―――は!? 「……今更何言ってんだよ」