「バラの花10本ください」 「了解しました。花束のレースは何色にしますか?」 「おまかせで」 「かしこまりました」 店員さんが手慣れた手つきでバラの花をレースで包む。 「1080円となります」 「…高くない?」 店員さんはにこりと笑う。 「申し訳ございません。 しかし、カノジョに渡すならこれぐらいの花束が宜しいのかと」 「そうだね」 俺はお金を支払い、バラの花束の匂いを嗅ぐ。 同じローズと言っても、こんなに匂いが違うんだな。