女子は本を黙々と読んでいる。 俺の机にバッグを置く音でこちらに反応したが、すぐに本に集中する。 あー、暇だ。 俺も音楽雑誌でも持ってくりゃ良かった。 もしくはエレキギター。 あ、バンドメンバー募集、まだ応募してねぇや。 外は灰色の世界。 ただここだけが光を灯す。 でも、俺の目はこの教室も灰色にくすんでいた。 もぅそろそろ受験か。 それなのに俺は何もしなくて良いのだろうか。