後ろからガッて、おもいっきりひっぱられて。
必死の顔したいっちゃんが、ウチの腕をつかんでた。
「〜はなしてっ!!」
思いっきり振り払ったら、いっちゃんは後ろにグラついてしゃがみこんだ。
「……っ、みとも、ちょー待って…」
…弱っとるんは、ほんまみたいや。
すたすた早歩きでいっちゃんから離れる。
そうしとったら、どうしよう、やなくて、代わりにイライラが込み上げてった。
なんなん。
何なん何なん何なん何なんいっちゃん。
酔っ払い。あほ。
連絡1本もよこさんで。
さんざん心配させて。
せっかく作ったカレー食べんで。
ぐでんぐでんになって。
せっかく迎えに来たのに、こんな深夜にこわい思いして捜しに行ったのに。
…なんで他の女の子に、告白とかされてんの。
未だに鳴り続けてるブザー音にもむかぁってなって、操作もめんどくさくて、携帯の電源ごと落とした。
「……あ。」
暗くなった画面に、ぽつり、とひとつぶの水滴。
「雨……」



