…次の瞬間、携帯を手から落としてしまった。
「実ははぐむのこと、好きやってん。」
ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ―――――
設定しとった防犯ブザー音がけたたましく鳴り響く。
それに気付いた女の子といっちゃんが、ウチがおる方に振り返った。
いっちゃんと目が合う。
「………あ、」
ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ―――――
鳴り続ける電子音をあわてて地面から拾う。
パニックになってそのまま逃げるように、その場を走り去った。
みとも。
いっちゃんがウチの名前を呼んだ。
それだけ聞こえたけど、あとはもうわからんかった。
足元がフワフワしてさだまらんくて、頭ん中はぐるぐるしてて。
すき?
好きって、いっちゃんのことが好きやったって。
ウチなやい、他の子が。
走る。走る。走る。
どうしよう。どうしよう、心臓が。
心臓が、落ち着いてくれへん。
「おいっ!!」



