外仕事って言いよったからなぁ、新しい仕事。
しんどそうやけど…でもおとうさん、がんばってんねんなぁ。
ちょっと黒くなったけど、激太りも激やせもしてない。
あいかわらずおなかがトトロなおとうさんに、なんか安心する。
…って、いうか。
「…おとうさん」
「ん?」
「なんでスーツなん…!?」
きっちり首んとこでしめられたネクタイが、あんまりにも似合ってなくてびっくりする。
リストラされるまでは普通の会社員やったはずなんやけどな。
もしかしてネクタイ似合わなすぎてリストラされたんかなっていうくらい似合ってない。
…でももう今はおとうさん、スーツ着る仕事やないはずやのに。
おとうさんはゆるんだ顔をもっかいキリってひきしめると、1歩。
ウチやなくて、いっちゃんの方に進み出た。
「いっちゃん。」
「は…はいっ!」
おとうさんのせっぱつまったような表情に気圧されて、いっちゃんがピシッと気をつけの姿勢になる。
ウチも思わず、一緒んなって気をつけ。



