試合はあっという間に進んでいって、ちょっとした休憩時間に入った。
今んとこ、0対1で一点リード。
メガホン打ちつけすぎて、手のひらが痛い。
…っていうか、やっぱ、お腹痛いのおさまらへん。
おさまらんどころか、だんだんひどくなっていってる気がする。
「…ちょっとお手洗い行ってくるな」
ずーんと重たい痛みに背中を丸めて席を立ったとき、神崎君が俺も、って立ち上がった。
「ついでになんか買おてくるわ。なにがええ?」
ビール、ポテト、焼きそば。
次々と候補が上がる中、いっちゃんは「暑いから扇風機買うてって」とか言うて神崎くんに頭たたかれてた。
ほんま仲良しなんやなぁ。
さっきからどっちがボケでどっちがツッコミなんかわからんけど。
神崎君はいっちゃんの方に振り返って、にやりと笑った。
「ごめんな〜志波クン。み・と・も、預かっていきますわ」
「…ほんまウザいぞお前」
スネに跳んできた蹴りをかわして、神崎君が階段を走り降りていく。
その背中を、あわてて追いかけた。



