バッターがポジションにつく。
画面越しに見るのとは違う、臨場感。ドキドキする。
ふう、って息を1回はいて、思いきってメガホンを打ち鳴らした。
ポン!て大きい音。
いっちゃんのと、神崎君のと、アヤちんの。みんなの音が、一緒に重なる。
ポン!ポポン!ポン!ポポン!
「「「「かっとばせ〜っ!!」」」」
声もいっこになって、ボールみたいに、座席から飛び出して。
バッターは初球から打ち放って、矢のように低空を飛んでいくボール。
速すぎて、見えるのは球じゃなくて1本の線。
電光掲示板のHのとこに、1の表示が出る。
――ナイスヒット。
「〜よっしゃぁ!!」
拍手がわりのメガホンの音。
神崎くんが大げさに飛びあがる。いっちゃんが笑う。
なんていうんかな。
一体感っていうんかな、こういうの。
…なんか。野球観戦、めっちゃ楽しいかも。



