おとうさんは、たぶん今慣れへん家事がんばって覚えてて。挑戦してて。
がんばっても爆発後、みたいなことになっとるけども。
家ぐちゃぐちゃやけども。
でも仕事し始めたら…これまで以上に、手ぇ回らへんのちゃうかな。
ちゃんとしたもん食べれるんかな。
無理して、おとうさんが倒れたりなんかしたら───。
顔の横にほっぽられた携帯を見つめる。
うんともすんとも言わへん携帯。
おとうさん、もしやこれ以上怒られるんが嫌でメール返す気ないな…?
もしな。
もし…ウチが下宿先のこっちやなくて、地元に戻って就職したら。
おとうさんのこと助けられる。
家事も分担できるし、おかあさんの具合もしょっちゅう見に行ける。
ウチの顔すぐ見れたら、おかあさんにも安心してもらえるやろし。
………でも。
ぎゅうっと顔をシーツに押しつけて、目を閉じた。
でもそれは、
いっちゃんと───離れるってこと。



