だって写ってるの、とうてい我が家とは思えへんのやけど…!?


ぐっちゃぐちゃ。部屋ん中、花火打上げたみたいになってるやん。



「何発打ったんよおとうさん……」



ブツブツ呟いて、文句のメールを作る。


おかーさんが入院してから、まだ1週間しか経ってへんゆうのに。


どうせそこになにがあるかわからんくてひっかきまわして、そのままなんやろなぁ。


こんなんじゃ先が思いやられるわ…。



怒りの絵文字と変な顔の絵文字をつけて、送信。


ため息をついて、ソファーがわりにベットにぼすんと座る。



「はあ……」



そのまま横倒しになって、シーツに沈み込んだ。



…ほんまにひとりで大丈夫なんかなぁ、おとうさん。


家やなくて鳥の巣になってまうで。ウチの実家、このままいくと。


これで、ええんかな。



…ほんまにウチ、こっちで就職してええんかなぁ。




頭の中に、それだけが浮かぶ。ぐるぐる回る。



前から思ってたこと。


…でもわざと、考えへんようにしてたこと。



就職試験を受けようって決めきらんかったひとつの理由は、それやった。