「いやみとも、今相手チームの応援やから」
上の席からにゅっと手が伸びてきて、ウチのメガホンがつつかれる。
「え。あ、そ、そうなん!?」
びっくりしてキョロキョロしとったら、ぶくくくく、てまたいっちゃんの笑い声。
…いっちゃんが教えてくれへんから悪いんやんか。
神崎くんまでめっちゃ笑って、
「みともちゃん天然やなぁ!!」
とか言うてくる。
そしたら頭の上に、ぽん、ていっちゃんの手が乗って。
「うん、めっちゃかわええやろ。」
「……………」
「うわぁ、ほんまウザい志波!!ちょ、避難しようやアヤちゃん」
「あはは、行こ行こ〜。このふたりホンマ仲ええよね」
ワーって巻き起こる歓声の中に、楽しそうな笑い声が混じる。
いっちゃんの手の重みで、グッて下がった帽子のつば。
…いっちゃんの、うそつき。
いっつもポニョ子しか言わんくせに。
せやのにみんなの前でそんなん言うとか、どんな顔してええかわからへんやんか。



