受け取ってたたいてみたら、ポカン、ていう音。
空気の泡が、破裂するみたいな。
声のトーンがいつもの2割増しのアヤちんが、満面の笑みで振り返って言った。
「今日来れてうれしい!!あたし〜、野球めっちゃ興味あってぇ〜」
…今日のアヤちんは、全部2割増しアヤちんやな。
しかもアヤちん、野球好きとか初めて聞いたで?
「そうなんや!選手だれが好きとかある〜?」
「えっと…えっとな……、ええと……本田ケイスケ!!」
それサッカー選手やアヤちん……!!
ぶくくくく、て、真後ろから笑い声。
うわ、いっちゃんめっちゃ笑ってる。背中丸まってる。
…いっちゃんの笑い声、こんなかんじやったっけ。
ふたりでおる時とはまた違う気がする。
ちょっと低い、おなかのそこに響くみたいな。
アナウンスが始まりを告げ、ワーっと歓声があがる。
グラウンドをのぞきこんだ瞬間、目の前が突然真っ白になった。
「ぶっ」
すぽっ。
後ろから突然かぶせられたユニフォーム。
振り向いたら、いっちゃんが笑いながら「俺のやつ。」って言った。



