いっちゃんが言うには、その神崎くんはちょっと前に別れてもたから今フリーらしい。
アヤちんの返事も聞かんまま、「うん!」て首振ってもた。
だってな。ダブルデートっぽいの、今までしたことなかったし。
アヤちんには1回いっちゃん紹介したことあるねんけど、ウチはいっちゃんの友達に会ったことないねん。
いっちゃんの彼女として会えるんて、なんか認められるみたいでちょっと、嬉しいやんか。
…あ、野球もすきやし。
そんなこんなで今日に至る。
天気はばっちし晴れ。
野球観戦びより。
席は後ろの方やけど、ちょうど4つかたまって空いとった。
後ろに男の子らで、前の列にアヤちんとウチが座る。
球場のふわふわザワザワしたなんとも言えん雰囲気に、だんだんテンションも上がってくる。
あ、向こうの方におるん、応援団かな。
足の裏から響いてくる、たいこの音。
「みとも」
小声で名前を呼んでくるアヤちん。
隣を見たらアヤちんとバチって目が合って、アヤちんはひざの下で親指を立てるとニヤッと笑った。
「グッジョブ!」



