いっちゃんの肩にこつん、てもたれかかったら、いっちゃんの頭もウチの上に落ちてきた。



「…ふふ」

「……なんやねん」

「ふへへ」

「こわいで、ポニョ子」

「いっちゃんむかつく」



ふたりで黙ったまま、しばらく体重を押しつけあってた。


きっと今すぐ帰っても見たい深夜番組始まってもうとるけど、別にええや。


…だって多分、今、ウチな。



ウチな、結構、めっちゃ、この上なく、幸せやなぁって。思うねん。



「…そろそろ帰りましょうか、お姫さん」


しばらくしてから、いっちゃんの頭がゆっくり離れた。

お手をどうぞ。ウチに向かって、手を差しのべる。


「ええそうね、爺や」

「おれ爺やかいな」


いっちゃんが吹き出す。

触れた手のひらはあったかい。



行きしと同じようにバイクにまたがって、抱きついた背中もおんなじくらい、あったかかった。



「なぁ、みとも」

「んー?」

「1年6か月、さて月にすると何か月でしょーか」