…もう、なぁ。
そんとき、ウチ、自分の中でどばぁーって。
滝みたいに、なんかめっちゃすごい勢いで、流れ込んでってな。
「…………っ、」
ぼっろぼろ。
出てないとこないやろ!ゆうくらい、目のどっからも、涙出てってな。
止まらんかってな。
「…泣くなやうっとおしい」
「…っ、すいませ、」
「ホラまたすいません言う。しっつこいなぁ、もうええちゅーねん」
蔵本さんが笑うから、困ったみたいに、ちょっと楽しそうに笑うから。
よけいいっぱい、涙出てった。
ズヒズビ、鼻の音、うるさい。
とんでもなくカッコ悪いなぁ、ウチ。
…めんどくさい実習生やなぁ。
めんどくさいなぁ。ほんま。
ほんま、ほんま、
…話しにきて、よかった。
蔵本さんは一通り笑ったあと、あーあ、って、肩を落として。
窓の外に、視線を流す。
もう薄暗くなってった、外の景色。
とくに特徴があるわけやない、ぼんやりした街並み。
「…散髪屋、やっとったんよ。」



