蔵本さんの瞳が、ちゃんとまだ、ウチをとらえてくれとる。
「蔵本さんのこと…ちゃんとわかろうともしないで、正直、あの…なんよこのしょーわるいおっちゃん!!って、思てました。…すいません」
「………」
「そ…そのよん!!」
ちっともうまい言葉なんて出てこんけど。
緊張して、声ふるえとるけど。
「でもウチ…わたし、あの、蔵本さんの…怒っとるんやなくて、笑ろとる顔も見たいなぁって。」
ぜんぶ、いっこのうそもない…ほんまもんの、気持ちやから。
「な…なんていうたらええかわからへんけど、でもこのまま終わるんいやで。これもわたしの都合かもしれへんけど、でも、」
──でも。
「…そのごっ!!」
「まだ続くんか?」
蔵本さんの声が落ちて、止まらんかった口が、動くのをやめた。
でもその、まだ続くんか?は、こわくなくって。
ちょっとあきれたみたいやったけど、でも…
なんか、やわらかかって。
「あ…の……」
「アンタ、アホやろ。」
蔵本さんはそう言うて、顔をくしゃってして。笑ってくれて。
まゆとまゆの間やない。
目のはしっことはしっこに、笑いじわ。



