レポート仕上げなあかんとか。
あとに回したらしんどいとか。
そんなん、ばっかで。
患者さんの…蔵本さんの気持ち、全然考えてあげられへんかった。
最低やんな、ウチ。
あー……あかん。
目の周り、熱いのくる。
いっちゃんの手のひらはぽん、ぽん、て。
一定のリズムで、ウチの頭におちてくる。
「…風呂、入った?」
「……ん」
「ほんなら、今日はもう寝ぇ」
ぽん、ぽん。
そのすき間にはさまる、いっちゃんの低い声。
「……でも、提出物、せな……」
「明日、早起きしたらええやんか。おれ、ちゃんと起こしたるから。…な?」
ぽん、て。
いっちゃんの手が何度も頭を包むから、少しずつ心が落ち着いた。
目を閉じる。
そしたらなんか、世界中のこわいもん全部から守られてるみたいな気分になる。
ぽん、ぽん。を続けながら。
しみこんでいく。
いっちゃんのゆったり落ち着いた声と、体温。
「なんもしゃべらんでええから、みともはおれがしゃべっとる間に寝ること!ええな?」
「…うん」



