──うん。



うなずいたら、おかあさんはなんかちょっと、笑って。



「…たまには帰ってきーや。」



さみしそーに、笑って。



「…………」

「も〜なぁ。おとうさんとふたりっきり、暑苦しいねん。」




次は冗談っぽく笑う。


…なんか胸がぎゅってなった。



友達とかって、会わんかったらいつの間にか疎遠になったり。

でも家族って、無条件やんな。


しばらくぶりに会っても、絶対に受け入れてくれて。

変わりなく受け入れてくれて。


やから甘えてしまうけど、でもほんまは。



大事に大事に、せなアカンもんなんやんな。



「今度はな。いっちゃんと一緒に来るな。」



そう言ったら、おかあさんはにっこり笑って「また化粧がんばらな」って言うた。



おかあさんが出て行ったあと、もう一度ベットに倒れ込む。


携帯をいじって、着信履歴にいっちゃんの名前。発信履歴にもいっちゃんの名前。



…なぁ、いっちゃん。


帰ったらな。