お客さんはまた興奮している。


慶はギターを抱え、スタイバイできていつでもOKの様子。



「それでは聴いて下さい…」


慶とリズムを合わせ、慶がギターを弾き始めた。


アンコールの一発目は…
初めてのアコースティック。



慶と時間を合わせて、ずっと練習してきたんだから…大丈夫!


慶となら絶対大丈夫!!




私は心地いい慶のギターをバックに…歌を歌った・・

しっとりとしたその雰囲気に、お客さんのすすり泣く声が聞こえたりした。


全て歌い終わったあと、大きな拍手をみんなからもらった時は…さすがに涙がこぼれた。

慶は優しく背中をさすってくれて、私は気持ちを切り替えるようにラストの曲まで歌いきった。




最後はやっぱり涙が溢れ、

泣きながら袖に帰ってきた私。



裏ではみんなが私を迎えてくれた。



歌うことを選んで良かった。

本当に心からそう思った。