タクシーに乗り込んでから約30分後…


未だに慶は一言も話さない…



“どこに行くの?”

それすらも聞けない雰囲気‥





「あ…ここでいいです。」


ビクッ

慶が運転手に言う。

いきなりのことで、体がビクッと動いてしまった。




「あ……コレで」

「ハイ」

!!

私がお金を払おうとすると、それを阻止するかのように私の手を握り、財布からお金を出し運転手に渡す慶。



「ありがとうございました」

「どーも…」

「・・・・」


タクシーから降りる私と慶。





“私が払うよ”

それも言えない…



なんか泣きそうになってきた………



ギュッ

!!