<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–

 さすがに、海翔たちもこの泣き叫ぶ声で止まった。

 海翔たちは、階段を下りきったところ。

 後ろを振り返れば、美雪が踊り場で泣き叫んでいる。

 そこに、桜らしき中学生が駆けつけている。

 普通なら、班の子皆が駆けつけるべきところだが。

「皆行くよ!」

 非情にも、海翔は歩き始めた。
 いや、走り始めた。


 しかし、ここで麗羅が立ち止まったまま。


――海翔君、ひどい。――

 海翔に背を向け、階段をまた昇る。

 途中、美紫依が嫌な目で見てきたが。

 そんなの気にしている余裕はない。

 急な階段を一段飛ばし。

 でも、すぐに疲れて早歩きになった。