<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–

 まだ三人の姿が見えない。

 今頃、急いでいるのかな。

 それにしても、出発してから五分以上は経っているがまだ追いついていない。

 

 あっ、美雪の後にいる子が美雪を抜かしている。

「待って、待って。」

 美雪は必死に走るが、班の子は待ってくれない。

 最終的には、美紫依に抜かされた。

「まああってぇ!!」

 美雪の必死の叫びは海翔はおろか、美紫依にすら聞こえていない。


――なんということを。――

 走る気力がなくなりそう。

 もう、こうなったら海翔に直談判したいところ。