雪の冷たさが、頬に染みてきた。

 その瞬間、流羽奈の気持ちがだいぶわかってきた。


――るぅちゃん。これは、痛かったよね。――

「桜姉ちゃん。るぅの気持ちわかった?」
「うん。」

 桜は即答した。

「えぃ!」

 海翔の後ろから、檀と、海翔と同い年の片山 美紫依(カタヤマ ミシイ)が雪の球を投げてきた。

「檀、美紫依。やりやがったな。」

 海翔は、同じ登校班の男の子と共に、二人に向かって雪の球を投げた。


「姉ちゃん。今のうちに。」

 流羽奈が桜の耳元でささやいた。

 正直ためらいもあったが、仕方なく桜も球を作り・・・