<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–

「わっ、分かった。
 もう、いいから教室に戻りな。」

 っと言って、桜は教室には戻らない。

 教室とは逆の方向、トイレへと足は向く。

 どしんどしんと、女の子らしくない歩き方をして。


 ばしん~♪

 トイレの個室にこもった。

 昼なのに、妙に薄暗い。

 ふぅ~っとため息をつく。

 それと同時に涙が出る。

 一筋、また一筋と流れて。

 ハンカチで拭いても、また涙が出て。