<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–

 桜はこくりっとうなずき、どんどん歩くスピードを速めていく。

 後ろには流羽奈がいない。

 ランドセルを開けた流羽奈がいない。

 後ろに敵ばかりで、今までどこか気が落ち着かなかった。

 そう桜は思えてきた。

 
 深く息を吸って吐く。
 吐いたときに、微笑んでいた。

 辛い時の後に嬉しい時がある。

 まさにその通りだと、実感している。

 周りの人は何しているのかは、どうだっていい。

 視線なんてどうだっていい。

 そんな思いが、桜の心の中にあった。