<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–

「それも難しいね。皆はどうなの。」

 麗羅はふっと友篤を見たら、友篤が寝そうになっている。

「ちょっと、とも。寝ないでよ。」

「寝てねーよ。」

 あっさりと麗羅を馬鹿にする。


「じゃあ、さっきまでの話を聞いていた?」

「あぁ、みぃちゃんと海翔君の欠点は?っと聞いているんでしょう。
 みぃちゃんは、右手の大きな青あざでしょう。」

 美紫依には二歳ごろから、右手に大きな青あざがある。

 そして、だんだん大きくなって今もある。

 原因は不明。だが、これが原因で随分いじめられていた。

 桜が小学二・三年生の時、よく帰り道に美紫依の愚痴を聞いていた。

 桜は、慰めるしかなかった。