「・・・。桜は大丈夫。」

「俺も。」

 なんだかぎこちない。

「あっ、ごめん。」

 ここは人として謝らないとね。いくら憎い奴とはいえど。

「こっちこそ、ぶつかってすみません。
 前をよく見ていなかったので・・・。」

「こっちこそ・・・。」

 ただ謝るだけなのに、桜は恥ずかしく感じる。

 もうこの辺にしようか。

 チャイム鳴るしね。


 歩き始めようとしたら、

「おい春巻(海翔)。」