<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–

 暖姫はまあ納得している。

 しかし希欧は黙りこんでいる。

 なんか嵐の前の静けさみたいな顔。

 嫌な予感。
 桜がそう思うのはいいのだが、原因を突き止めて改善しないと・・・。


「ねえ、希欧。
怒ってない?」

 桜の声は、希欧の堪忍袋の緒を切った。

「桜ってうざい!」

 桜も暖姫も何事かと、目を丸くしている。

 これを見て、ますます希欧の怒りは増す。

 希欧は何に怒っているのやら。

 桜のどこに不満があるのやら。

 希欧の怒り度の上昇は誰も止められない。