<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–

「そうそう、どうしてこうなったのか説明してくれる。」

 暖姫のこの問いが、桜の心を突き刺す。

 もちろん、暖姫自身は悪気があって言ったわけではない。

 ただ事実が知りたくて・・・

 でも、桜自身は言いたくなくて・・・


「ねえ、桜、まさか春・・・。」

 海翔のことが好きかって言いたいんでしょう?希欧。

 っていうことは、このままだと誤解される。

 だから、話さないと。

「暖姫、希欧、落ち着いて聞いてね。」

 念を入れて、一回途切れてしまった。

 もう一回、深呼吸して言わないと。

 絶対言うぞ。