<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–

 教吾に邪魔されようが、海翔に邪魔されようが、暖姫と桜の目線はあっている。

 助けを求めている目、助けるよっと言っている目。

 桜は海翔から離れようとしているが、やっぱり離れられない。


 暖姫はどうか?

「おい唐橋。何してるの?」
「まあ、能戸落ち着いて。」

 教吾の顔は苦笑い。
 暖姫の顔がますます厳しくなる。

「いい加減にしろ!」

 ものすごい声をあげ、教吾に蹴りをいれた。

「いってぇ~。」

 教吾の悲鳴にお構い無し。

 ものすごい勢いで階段を下りる。