<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–

 しかし、教吾が階段を駆け上がり、

「おい、能戸。
 大きい声出すな。」

 暖姫は不服そうな顔。

 そして、教吾は暖姫の動きを止めようとする。


「暖姫、助けて。」

「ちょっ、ちょっと・・・。」

 桜は海翔に止められている。


 
――暖姫、お願い、お願い。――

 さっきより心臓がどきどきする。

 暖姫がヒーローに見える。

 暖姫なら、きっとこの状況を脱してくれる。

 きっとじゃなくて、絶対。