<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–

 ああ、頭真っ白で意識がない。

 そんな状態が続いている。

 海翔はとにかく、言葉が思いつかない。

 パニック、パニック。

 海翔はさすがに意識あるけどね。


「桜!」

 この声に、桜は我に返る。

「桜、桜。」

 いかにも体育会系の声。
 すぐにわかる、暖姫だ。

 暖姫は階段を下りている。

 桜には見える。

 大親友の暖姫が。