<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–

 そのせいで、海翔はあんなに言葉濁しているのか。

 いじめの前は、普通に会話できていた。

 海翔は恥ずかしがり屋じゃない。
 むしろ、目立ちたがり屋。

 運動神経はよくて、特に球技に対するセンスがいい。

 だから、こんなに言葉を濁すことはない。


 そう考えたら、間違いなく告白だ。

 うわあ、やばい、やばい。

 逃げ出さないと。
 
 さあどうする?どうする?

 どうやって逃げ出す。

 今、海翔の握っている力は弱い。

 この隙に、脅かして、逃げようか。