その瞬間、海翔の心に衝撃が走る。

 聞いてほしい、今度こそきちんとまとめ、聞いてほしい。

 だから、慌てて走って、桜の手をつかむ。

 片手首をつかんで、桜がひるんだすきにもう片方と。

 桜の頭に衝撃が走る。

 手首をつかまれた。

 海翔は強く握っているのか。

 海翔の強い気持ちが表れているともいえるが、桜にとっては痛いし血が止まりそう。


 桜の思考が一瞬止まる。

 あまりにも手首を強く握られて、痛みが体中を走ったから。

 放そうとは思わなかった。

 今はとにかく痛い。

 痛すぎる。

 せめて、手加減してほしい。