――あいつ、入んないで。―― ひたすら桜は願う。 部活中も、部活がなくても、いつも。 もし、海翔がバレー部に入れば、あの事話すだろう。 あれは桜にとって、今すぐ忘れたい記憶。 二度と話したくないし、他人が話してほしくない。 それに、顔を合わせる回数も増える。 おまけに、またいじめられるかもしれない。 海翔を考えるだけで、マイナスな言葉しか出ない。 そんな奴と、今後どう付き合えばいいのか。 桜はわからない。 とにかく今は、海翔の出方次第だね。